理学療法士の学生の頃、
理学療法士の新人の頃、
先輩療法士によく言われたことがあります。
「今のうちにしっかり勉強しとかないとだんだん勉強しなくなるよ」
当時はこのことばの意味をあまり深く考えていなかったと思います。
まぁ学生や新人のときって訳ワカメ過ぎて余裕がなかったんだと思います。
それから年月が過ぎ、僕も先輩としてのポジションにつくようになるにつれ、確かに勉強量は減っていきました…
そして勉強量が減っていくにつれ、自分の引き出しだけで仕事するようになり、おもしろくないと感じるようになってしまうのです。
勉強しなくなっていく背景
なんで勉強しなくなっていくのでしょうか。
学生とか新人には勉強しろっていうくせに。
専門職なんだから一生勉強は当たり前。
知識と技術は磨き続けていかないといけない。
けどだんだん勉強しなくなっていく人は多いと思う。
何でだろう。
それなりにこなせるようになったから
まずはこれだと思う。
基本的な理学療法スキルを習得し、整形、脳神経系疾患などある程度の数を経験してくると、曲がりなりにもやれるようになってくる。
こういう場合はこうすれば良い反応がでる、ということも分かってくる。
そうすると「この疾患でこの感じなら、自分はこういう風にアプローチする」みたいなパターンが決まってくる。
そうするとある程度やれてしまうから新たな知識、技術を取り入れようと思わなくなってしまう。
新人の頃は先ほども言ったようにすべてが訳ワカメ過ぎるので、必死に勉強します。
勉強しないと何をやったら良いかマジで分からんから。
でも少し訳が分かってきてしまうと余裕こきだしてしまうんですね。
家庭を持つようになり時間とお金に制限が生じる
これも理由としてはかなり大きいのではないでしょうか。
っていうかほぼこれのような気もする。
経験年数5年くらいになると20代後半になるので結婚する人が増えてきます。
そして家庭を持つと、っていうか子どもができると家庭に投入する時間とお金が増えます。
逆に言うと自分のために使える時間とお金は激減します。
平日、仕事から帰ってきても家事・育児。
休日は朝から晩まで家事・育児。
自分の時間は子どもが寝た後の夜の2時間くらいですかね。
(ただし、その時間には疲労困憊になっています。)
マジで時間なくなります。
そして妻は産休、育休で収入減。
うちなんかは「大学病院に転職したい!」っていうボクのわがままで他府県へ引っ越したため妻は退職、無職となったため収入に関しては完全にボクの一馬力になりました。
マジお金なくなりました。
そんな時間もお金もない状況で独身時代みたいに、土日に開催されている1日1万円くらいする技術セミナーなんかに参加できるかっていうといろいろ厳しすぎるんですよね。
セミナーに参加しないまでも、仲間内での勉強会や文献などを用いた自己学習にしたってある程度の時間は必要です。
そして医療書は高い!
そんな状況となる中で、徐々に勉強量が減っていってしまうのです。
なぜおもしろくなくなるか
上のような理由で勉強量が減っていき、自分の引き出しだけで仕事するようになるとなんでおもしろくなくなるのか。
それは日々のリハビリが単純作業化、ルーティン化してしまうからなんですね。
冒頭にも述べた通り、ある程度の数を経験してくるとだいたいどの疾患がきたらこうする、みたいな自分のパターンがきまってきます。
パターンが決まるということはルーティン化するということですね。
ルーティン化するということはそこには思考がほとんどなくなる。
考えない。
オートマチック。
そして
だいたい起こることも分かっている。
予定調和。
この状態になるとおもしろくないですよ。
スーパーマリオで同じステージを何回もやるようなもんです。
どこでクリボーが出てくるか分かっているし、どのタイミングでジャンプしたら踏み潰せるかも分かっている。
これを延々と繰り返す。
おもしろいわけないですよ。
そしてルーティンにはチャレンジがないんですよね。
同じことを繰り返すだけなので。
引き出し増やしておもしろく
じゃあどうやったら日々の仕事がおもしろくなるかって言ったら、それはもう勉強して引き出しを増やすことですよね。
人間には 知的欲求 がありますが、これは欲求の中でも三大欲求に匹敵するくらい強力な欲求です。
日々の臨床の中で、なんでこうなんだろう?という疑問は誰しも抱いているはずです。
それが勉強して新たな知見を得ることで解決されたときの快感ってハンパなくないですか?
「そういうことだったのかっっ‼」
ってやつ。
また新たな知見・視点を得ることで日々の臨床で試してみたいことも出てきます。
それはすなわち「チャレンジ」なのです。
そして チャレンジ=ワクワク=おもしろい なのです。
そしてチャレンジした先には「変化」があります。
人間はだれしも変化を求めています。
患者さんはリハビリをすることでカラダが動かしやすくなる、という変化を求めているのは当然ですが、療法士だって患者さんのカラダを動かしやすくする、という変化を求めているのです。
そして自分自身が「成長した」という変化を求めているのです。
まとめ
最近、遅ればせながら筋膜リリースの勉強し始めました。
そして学んだことを患者さんに試してみて自分の仮説どおりに効果が出たんですが、そのときのうれしさったら!!
理学療法オモロ!!
というわけで、
患者さんのカラダをよくするため、
日々の仕事をおもしろくするため、
勉強して引き出しを増やしましょう。
勉強時間の確保とお金の問題は??
また別の記事でっww
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